大工さんの日常

今時手間受け大工の仕事、無駄?知識、愚痴なんかをちびちび書き綴ります。

理想と現実と‥

専門学校卒業間際の3月に、紹介していただいた学校の先生と材木問屋の社長、いま世話になってる材木屋の当時の専務、会長、番頭さん、親方、私で面接?と呼べるかもわからない面接しました。完全に圧迫面接です。

何を聞かれたっていえば‥

親方「何で大工やりたいの?」

ぼく「昔からの夢でして‥」

皆で「今時珍しいのがいたもんだ」

ぐらいの会話で、この時点で採用だったようです、あとはもういつから来れる?って話で卒業したら2、3日内には初出勤も決定。トントンです。

今の住まいから親方の家までは40キロ、今では何とも思いませんが通わせることに抵抗があったようで、親方宅の近く(といっても1キロ圏内)にアパートを探してもらい一人暮らしも始まりました。この頃からカミさんとは一緒だったので、半同棲でしたけど。

で、理想と現実との話になりますが、当時の自分が考えてた大工ってのは、道具箱一つで仕事やって、大黒柱や丸太梁、墨付けやら刻み仕事やらを手仕事でこなし、鉋を毎日かけてるようなとても凝り固まったイメージしてました。
実際はバンの車に乗りきらないような道具を抱え、刻みはほぼほぼプレカット、一番衝撃だったのが替刃式の鉋‥。随分とイメージと違うなと思いました。お陰で墨付けなんて触れないで卒業したので、実は私、大工じゃないのかもw

忘れもしない3月20日の初出勤、初仕事は二階の洋間のボード貼りでした。
今は3×8×12㎜石膏ボードが主流になりましたが、あの頃貼ったあのボードは3×6、天井ドンで真物を貼られた足下の2尺の繋ぎとか、窓上窓下、建具の上とか、1日掛かって数えるぐらいしか貼れなかったのを覚えてます。

過去を振り返るのは色々思い出せてイイですね、初心忘るるなかれ、大事な言葉です。